ある一日

死んだ妹と私について書きます

はじめまして

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はじめまして、ペンネーム草子といいます。

こういう思い出話を書くのは自分の趣味ではないけど、そろそろ向き合わなくてはね、と思って書き始めてみます。

じめじめしませんように…!

 

私と妹の話です。決して明るい話ではないです。

 

1年前。

その日は、冬で、節分の日で、私は窓際の机でいつものようにパソコンをしていた。

居間に妹は居て、いつものように不機嫌な顔をしていてこたつに入っていた。

夜ごはんは鯖の塩焼き。お父さんが焼いた魚。好き嫌いの多い妹。

その日鯖はどうしてたか、もう思い出せないけどたぶん食べたんだと思う。

節分だったから、仕事から帰ったお母さんがしきりに妹に豆を薦めていた。

絶対食べないだろうと思っていたけど、案外素直に「食べる」と言っていたのが意外だった。お母さんは私にも聞いてきたけど、「いらない!」と答えた。豆は嫌いじゃないけど。

 

夜になったら私は隣のおばあちゃん家に寝に行った。

その頃は、私は県外から帰ってきて実家に私の部屋はなかったから。

夜。深夜に。おばあちゃんが「あんたの家に救急車が来てるよ」と。

降りて行って、妹は人工呼吸器をつけて担架で運ばれていた。

お母さんは笑っていた。ように見えたが違った。泣いていた。

「花(ペンネーム)が死んだ」

そして救急車に乗り込み去っていった。

なんだかよく分からなくて、実家に戻って、お父さんがいて、台所の戸棚に輪になったロープがかかっていて。

 

それからはよく覚えてないけれど、病院に行ったり、通夜したり、葬式したり。

怒りばかりが出てきた。

怒りって、悲しみを受け入れられないからまず最初に出てくる感情なんだって。

 

何も、後悔していない。ただ、あの日なぜ豆を食べなかったんだろう私。

妹が受け入れた豆を私は拒否した。なんで豆を食べなかったんだろう。そう思う。